ゆるまる〜ゆるっとまるっと〜

好きって気持ちでいっぱいです。

寂しい夢を見た話

今朝の午前3時頃。自分の啜り泣く声で目が覚めた。私は夢を見ていた。凄く哀しくて、寂しい夢。目が覚めた後もその感情がずっと心の中を渦巻いていて、暫くの間布団の中で泣いた。声を必死に押し殺しながら、ぼろぼろと涙を流した。

 

その夢は、好きな人ともう会えなくなる夢だった。

 

夢の中の私は、駅にある休憩所に居た。

「じゃあ出発まで時間潰してくるわ」

そう言って、私の好きな人は席を外した。私は、彼が居ない今の時間を使って、彼宛のラブレターを書こうと思った。こっそりと持っていた手帳から便箋を取り出し、隣の椅子に広げ、さあ書くぞと意気込んだ。手帳には、びっしりと彼との思い出が書かれていた。

だけど、宛先に彼の名前を書くと、そこから溢れてくる想いを言葉にする事が出来ず、この止めどない愛をなんと表現すれば良いのか分からなくなって、ペンはあっさり止まってしまった。

大好きです、そんな簡単な言葉しか思い浮かばなくて、違う、私が言いたいのはそれだけじゃない、と何度も葛藤しているうちに、もう二度と彼と会えないことを思い出して泣き始めた。もう二度と会えないから、私は最初で最後のラブレターを彼に書こうとしたのだ。なのに、それすらままならない事が哀しくて、彼にもう会えないことが寂しくて、鼻の奥がツンとして、身体の奥が震えだして、私の頬を涙が濡らした。

「そういうの、めんどくさいよ」

声に気がついてふと顔をあげれば、そこには彼の友人Aがいた。

「分かってるよ」

私はそう返事をした。彼にとってこの別れは、きっと大きなものではなくて、ただの通過儀礼にしか過ぎなくて、一方的に想いを募らせている女の涙なんて、めんどくさいもの以外何物でも無かった。それくらい私にだって分かっていた。だけど、彼のことを想う度に、愛が溢れて、涙が止まらなくて。

便箋を濡らすまいと何とか涙を堪えようとする私を見て、大丈夫、と声をかけてくれた人が居た。彼の大切な仲間の1人だった。

「大丈夫?」

うん、という返事すら円滑に出来ず、鼻を啜ってひたすら泣き続ける私を見て、彼の大切な仲間の1人は困ったように眉を下げて笑った。

「大丈夫だよ」

その一言がとても温かくて、優しくて。私は余計に泣いて、さらに相手を困らせてしまった。

 

私の大好きな潤くんと、もう二度と会えなくなる夢だった。

 

夢の中で「大丈夫だよ」と私を慰めてくれたのは智くんだった。あの高いトーンでんふふ、と困ったように笑った智くんは、大丈夫だよ、大丈夫だって、と何度も私に声をかけてくれた。

目が覚めて、あの「大丈夫」は、ただ私を慰めるだけの言葉ではなくて、「これからも潤くんは潤くんのままだから、泣くことは無いよ」という意味と、「潤くんと離れても君は元気にやっていけるから、心配することは無いよ」という意味を含んでいるのだと、直感的に思った。直感的にそう思って、私はさらに泣いた。

 

いつものアラームで目が覚めた時、私は真っ先にしまった、と思った。夜中にあれだけ泣いたなら絶対目が腫れているに違いない。朝からの仕事なのにどうしよう、と2度目の目覚めはやけに冷静だった。しかし、不思議なことに目は全く腫れていなかった。夜中に潤くんの事を思って泣いたことすら、夢だったのかもしれない。そもそもこれは夢の内容なのだから、そこまで本気で考えて泣くことなんて無かったのだ。だけど私には、これが " 遠くない未来の私 " を表しているように思えて仕方がなかった。

 

今の私は、ひとつ大切な " 好き " を失ったばかりのおたくだ。「歌を届けること」を目的にJr時代からコンビを組んできてCDデビューを果たし、「see you next live」の文字を残したまま、自然消滅してしまったとある2人の事を指す。私は彼らの歌が大好きで、彼らの曲が持つ世界観も大好きで、可愛いアイドルな一面も、力強いアーティスティックな一面も兼ね揃えた、そんな2人が大好きだった。彼らのコンサートに行くことがひとつの夢だった。その夢は、もう二度と叶うことが無い。

" 好き " を失うことがどれだけ自分にとって苦しいことか、今の私が一番わかっていると思う。だからこそ、私の人生の中で最も多くの時間と想いを割いてきた " 好き " が今年で失われてしまうことが怖くてたまらないのだ。

 

いつかのテレビ番組で、加藤シゲアキが言っていた、

好きになりすぎないこと

という言葉を思い出す。彼が足を運んだスリランカの現地ガイドが教えてくれた、スリランカ仏教における5つの戒めの1つらしい。好きになりすぎると視野が狭くなり、物事の本質を見失う。また、好きになりすぎることで、失った時により深く傷つくからだ、というものなんだとか。

私は既に、彼らのことを好きになりすぎている。後戻り出来ないほど、深く、強く、" 好き " という感情に支配されている。それは夢にまで影響するほど、濃い。

 

少しずつ思い出に変えていかなきゃなと思いつつ、私はまだ思い出にすることが出来ない。ゆっくりでいいから、いつかちゃんと思い出に出来たら。

どうか、今夜の夢は、笑える幸せな夢でありますように。

 

ちなみに、私に「めんどくさいよ」言った友人Aとは、99.9-刑事専門弁護士-に出てきた明石さんでした。(何故ー!)